2017/09/16

夏の雨

「竹ノ塚の駅前のキッチンホトリでBランチ食ったらさあ。
すんごいボリュームで、しかもおいしいのよ。750円だよ。」

この話をした時の、相手の反応はほとんど「へー」
特にこれといった返しもなければ、盛り上がりもない。

ただ、シンビは違った
「お腹すいてたんじゃない?」
さも興味なさげではあったが、言っていることは実に的確だった。
そして、まったくこっちを見るそぶりもなく続けた。

「そもそも、ラーメン柿の木をリピってる人に、味がわかるのかしら?」

確かに、僕はバカ舌だ。
しかも、シンビのご指摘通り、ものすごくお腹がすいていた。
そして、たまたま入ったキッチンホトリが、思いのほか安くて量が多かった。
おいしいというのは、記憶の後付けかもしれない。
薄っぺらさが、すべて見透かされたような気がして、思わず苦笑い。

しょうがない、話題を変えよう。
「そいえばさ、あの夏の雨ってどうなの?」

シンビが所属するヨチンの新曲だ。
この曲は、前月の「LOVE WHISPER」に続く新曲。
2か月連続の、いわゆる高速カムバだ。

「夏の雨?洗濯物が乾きづらいとか?」

シンビは、まったく気にも留めないそぶりだった。
雨で洗濯物が乾きづらいのは季節関係ないだろ。
新曲の話を振られて、気を悪くしたのかな?

「今度の「夏の雨」どうなんだろうな?と思って聞いただけ。嫌な質問だったらごめん」

シンビはようやく、やれやれと言った感じでこちらを見た。

「雨でも嵐で台風でもなんでいいわ。あたしそろそろ帰る」
めんどくさそうに、そう言うと、シンビは席を立った。
そして一瞬遠くを見たかと思ったら、急に
「ところで、アジアの大砲って言えば誰の事でしょうか?」
ややうれしそうに聞いてきた。

「高木琢也」そう答えたが、まったくピンと来ていないようだったので、
「じゃあ、イ・スンヨプ」と答え直した。

するとシンビは、今日一番の満面の笑みでこう言った。

「はい、おじさん残念でした。アジアの大砲といえば今は金正恩でしょ。
正解したら、冷麺おごってあげたのに。」

シンビはそういうと満足げに、帰っていった。


なお、この話には後日談がある。
あの時、僕と話をしていたのは、シンビだとばかり思っていたが、実はシンビではなかった。
シンビはあの時間、ステージにいたみたいだ。
ではあれは誰だったのだろう?

気がつくと外は雨。
秋の雨の匂いがした。

おしまいける

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まったく関係ないけど西野七瀬


※以下注釈
キッチンホトリ:竹ノ塚の駅前にある定食屋。先日たまたま食べたら量が多かった。
ラーメン柿の木:地元のラーメン店。セットの量が多い。味の記憶がまったくないので、気になって再訪する。そして行った後しばらくすると味の記憶がない(続く)
夏の雨:ヨチンのカムバ曲
夏の嵐:先日、ある方がデビュー10周年を記念して出した新曲
西野七瀬:乃木坂の子。若い子の名前あんまり知らないけど、西野七瀬だったらギリ知ってる
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